2.ブルースの匂いを嗅いで
もともと私は音楽好きなのだ。それも半端ではない黒人音楽、極めつけのブルースっちゅうやつである。ブルースという音楽は、何て言うか、フィーリングなんですわ、これが。中学校の時代から、悪ガキどもと当時は不良の出発点みたいに言われていた、長髪にエレキギターといういでたちで、親の目から隠れるようにして聴いていたのが、今でも元気なエリック・クラプトンのCreamであり、スティーヴィ・ウインウッドのTrafficであり、フィルモアの奇跡であり、バターフィールドなのである。これで、私の好みが分かってしまうような人は、普通ではないが、まともな同類の人やと思う。
今でも好きな、エリック・クラプトンは、当時としては神様扱いで、初めてライヴ盤のCrossroadsを聴いた日にゃ、全身電気が走ったほどの感動を覚えている。このしびれるような単調な緊張感は何なんや? と、ふと思って、何気なく作者を見てみたら、ロバート・ジョンスン(Robert Johnson)とある。聞いた事ない名前やな?誰なんやこの人は?と自問自答しているうちに、意外と回答は早く得られた。
この話はあとでゆっくりするとして、中学校に行き始めてすぐの頃やから、12、13歳の事からブルースが好きだった事になり、かれこれ30年になる。飽きもせずに良くここまで聴いてきたもんだ。それで、私にとってのアメリカは、その広大さを知らぬうちから、元気なシカゴや、ミシシッピ・デルタ地帯という所にいつでも行けるんではないかという大きな夢と期待を抱いて、本能的にブルースの匂いを嗅いで行ったように思う。